木質系床材の比較~無垢材と合板の違いをざっくりと~
今日は床材のお話。
木質の床材にはどんな種類があるのか見てみましょう。
◆無垢材
今のところ定義が曖昧で、1枚切り出しも無垢フロアーと呼ぶし、挽き板を重ねた複層の物も無垢フロアーと呼ぶことがあります。
無垢フロアー材の種類
樹木からそのままの形を切り出した物。いわゆる本当の木。
・三層フローリング(無垢材のみの構成)
挽板を三層に貼り合わせた物。
・複合フローリング
その名の通り、何枚もの板を貼り合わせて1枚の板にした物。
図でいうとこんな感じ。↓
無垢フローリングの種類
・OPC(ワンピース)
1枚ものの無垢材のこと。
継ぎ手のあるフローリングに比べ、ピースが細切れにならない為、高級感・重厚感があります。
定尺OPCとは、一定の長さでそろっている商品のこと。
例えば、910mmや1820mm(尺モジュールの場合)など。
乱尺・定乱尺OPCとは長さが一定ではなく、400mm~1800mm程度の様々な長さで構成されている商品のこと。
実物でいうとこんな感じ。↓
木材の下にもう一枚貼り合わせてあるのは、クッション材です。
コンクリート直貼りなど、工法によっては必要になります。
その他、防音効果を出すためにこのような仕様になっている場合もあります。
・UNIタイプ(ユニタイプ)
UNIとは「United」の略で、長手方向に継ぎ足してあるタイプ。
グレードにもよりますが、1枚を5~6ピースで構成しています。
一般的に多く流通している規格。
実物でいうとこんな感じ。↓
・FJL
Finger Joint Laminationの略。
縦方向と横方向の2方向で継いだフロアーの事。
2P、3P、4Pなどがあります。
メリット
・無垢材ならではの調湿性があります。
湿気を吸ったり吐き出したりして空気の湿度を調節するので、快適に過ごせます。
・裸足で歩いても優しく、足裏がサラッと快適です。
・節があったりなかったり、木そのものの表情がたのしめます。
・経年劣化ではなく、経年美を楽しめます。時間が経つにつれ飴色に変化してきたり、使い込む程にキズや汚れが思い出となり、愛着が湧いてきます。
・オイルを塗ったり、表面を磨いたりすることで木の良さが蘇ります。
デメリット
・時期によって生産数が限定されたり、取れる数量が安定しない為、一般的には合板より高めな価格帯になります。
・調湿効果によりフローリングが伸縮し、隙間ができたり反りが生じる可能性があります。
・自然界のものなので色や柄を画一的に作り出すことができません。
・柔らかい素材なので、キズがつきやすい性質があります。
・日にやけて色がかわります。
(塗料の色や種類によっては変色しにくいものもあります。)
・基本的には水に弱いです。濡れたままにしておくとシミになりやすい弱点があります。
◆合板
基材に合板やMDF(木質繊維を合成樹脂で固めて板状に加熱成形したもの)を使用し、表面の仕上げに木質素材やプリントシートをはったもの。
合板の種類
・木質系複合フローリング
表面の仕上げ材に薄く削った天然木(木質系化粧単板)を使用したもの。
イメージでいうと大根の桂剥き。
うすーく削った鰹節状態のものをはりつけるイメージです。
数字でいうと0.2mmとか0.3mmくらいの厚さです。
・シート系複合フローリング
表面の仕上げ材に木目を印刷したプリントシート(樹脂化粧シート)を使用したもの。
最近はプリント技術もよくなっていて、ぱっと見ただけでは本物に見えるくらい質のよいものや、わざと節や木目を本物風にランダムにいれてあるもの、触ると少ーし凹凸があるものなど様々です。
メリット
・比較的コストを下げやすいです。
いろんな種類があるので中には高価なものもありますが、一般的にはお買い得な価格帯になっています。
・自然環境に左右されないので安定した供給ができます。
・節や反り・割れが無く、均一なものを大量に作ることができます。
・表面が比較的に硬く、キズや汚れに強い傾向にあります。
デメリット
・表面強度を出しているため、踏んだときに硬さや冷たさを感じます。
汗をかく時期だとシート素材が足裏にくっつく感じがするのも特徴です。
・表面が薄いシートの為、キズがついた場合は中の基材が見えてしまいます。
濃い色のシートの場合は特に中の基材の色が目立ち、「味」とは言いづらい経年劣化になってしまいます。
・凹みやキズがつくと補修が出来ないため、張り替える必要が出てきます。
いかがでしょうか…?
無垢には無垢の良し悪しがあり、合板には合板の良し悪しがあります。
キャスター付のイスをよく使うだとか、
小さなお子様がいてよく物を落とすので表面が強いほうがいいとか…。
それでもやっぱり木のぬくもりを感じられるお家にしたいとか…。
どんな床材がいいのか、ライフスタイルと照らし合わせながら選んでいくといいかもしれません。
見た目だけ~とか、金額だけ~で選んでしまうと、
住んでから「意外とメンテナンスの手間がかかった」とか、
「キズが付いて結局張り替えることになった」とか…
そんな事になるかもしれません。
今回は木質系の床材をご紹介しましたが、場所や用途によってはタイルやカーペット、畳など別の素材を検討してみるのもありかと思います。
別素材についてはまたの機会にお話したいと思います。
インテリアコーディネーターの白石でした!それでは!
◆◆◆ブログランキングに参加しています◆◆◆